紙本墨画達磨像


 

磨像は、像を描いた本紙を掛軸に表装したものです。本紙は縦29.1cm、横21.4cm。表装は縦107.5cm、横32.6cmです。画像の 達磨は、斜め横を向いた半身像で、濃淡色の墨を用いて描かれています。また幣衣の中に手を隠し、その部分の輪郭はなめらかなカーブの線で描かれているのが 特徴的です。

達磨図は、中国禅宗の祖である菩提達磨を主題とした絵画です。日本でも禅宗が定着した当初(鎌倉時代、13世紀半ば)から描かれ、禅宗寺院の最も基 本的な仏画の一つとなっています。本像のような図像は、江戸時代になってしばしば見かけるもので、その簡略な図像から、おそらく禅僧などが余技で行うとき に好まれた図像と思われます。本像は、画面右下にみえる二顆の落款から、開山の別伝宗分の作であることがわかり、宗分が亡くなった寛文8年(1668)ま での製作と考えられます。もとは檀家に伝えられてきましたが、明治28年(1895)に寄進されました。
    本像は、開山の作であること、またその伝来経路が明確であることから、江東区にゆかりのある重要な絵画といえます。

(江東区教育委員会掲示より)

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