お墓についての豆知識
お墓とは
ご遺骨を埋葬するところ。お墓を「買う」というが、実際にはお寺の土地を買うのではなく、半永久的に借りるのです。そのため永代(えいたい)使用料を一度に支払います。
お墓の種類
家墓(いえばか)
もっとも多い形式のお墓です。一つの墓石に「○○家代々之墓」などと刻まれて、一族が一つのお墓に入り子孫へと代々受け継がれていくもの。
個人墓(こじんばか)
一人に一つずつ墓石を立てるもの。
比翼墓(ひよくぼ)
夫婦二人のための墓。
合祀墓(ごうしぼ)
事故や災害などで一度に大勢の方が亡くなった時に建てる。慰霊碑的色彩が強く、石碑に名前を刻み名簿を納めたりする。
一墓制(いちぼせい)
お寺に一基だけお墓があり、檀家の人がみなそこに入る。最近では独身女性の仲間同士、老人ホームなど、新しいかたちがあります。
建墓と改葬
お墓を建てたり、墓石を新しくしたときには、開眼法要(かいがんほうよう)をしなければいけません。また、故郷からお墓を自宅近くに移したいなどの場合、御霊抜きの儀式が必要です。菩提寺の住職にご相談下さい。
お墓参りの作法
個人の命日や年忌法要、お盆、お彼岸など、入学・進学・就職・結婚など、人生の節目に報告を兼ねてのお墓参り。
そんな時の手順です。
- お寺の住職または霊園の管理事務所に挨拶し、必要なものを借りる。
- 手を洗い清め、手桶に水を汲んでお墓に向かう。
- 合掌礼拝してから、お墓の掃除。落葉やゴミを広い、雑草を抜き、墓石を洗う。花立の中のゴミ、香炉の灰も始末する。
- 花立に生花を飾り、お供物を供える。菓子や果物は二つ折りの半紙にのせる。
- 線香をあげる。
- 墓石に水をかけるときは、線香を消さないように注意する。
- 合掌礼拝し、数珠を持って一人ずつ手を合わせる。
- 花以外のお供物は持ち帰る。
お墓参りに持っていくもの
線香、マッチ(ライター)、半紙、お供物、お花、タオル(お墓を拭くもの)、たわしなど。手桶、柄杓、などはお寺や霊園で借りられる場合があります。
お寺との付き合い方
菩提寺とは、祖先の霊の安住所であり、供養するところです。檀那寺(だんなでら)とも言います。
それに対して、お寺を守っていくのが檀家です。
檀家はお寺や僧侶に衣食を布施し、僧侶は檀家の人たちに仏法を説き、法を施す関係にあります。
お寺には檀家すべての過去帳がまつられています。
檀家を代表するのが総代です。総代は檀家を代表する篤志家で、戦前までは経済力のある地主や資産家が総代を勤めていました。
現在は、お寺と檀家の関係が、葬儀や法事のみの付き合いとなっている場合が多いく、菩提寺との精神的な絆など、強いつながりがなくなりつつあります。もっと日常的なつながりをもつようにお寺の行事に積極的に参加することが必要ではないでしょうか。
菩提寺を探す
菩提寺を新たに探す場合、特定の宗教、宗派の信仰を持っていないときは、実家の菩提寺と同じ宗派で、家から近いところにあるお寺、または交通の便がいいお寺がいいでしょう。
また、日頃からそのお寺の行事を見学したり、参加することで、そのお寺の様子や和尚の人柄などを知ることも大切だと思います。不幸があってからあわてて探さずに、平穏なときこそじっくり菩提寺を探すチャンスです。
新たに檀家になる
ここだというお寺が見つかったら、そのお寺の墓地を持ちます。しかし、墓地を持って終わりでは寂しいですよね。お墓のご近所さんはどんな人たちか、つまり他の檀家の人たちのことです。その人たちとも知り合いになっている方がいいですよ。だから、お寺の年中行事は出来るだけ参加しましょう。その際のお布施は自由です。出来る範囲で無理なくお寺に足を運び、多くの檀家の人と知り合い、和尚との絆も深めましょう。いざという時に、和尚はもちろん檀家の人たちも力になってくれますよ。